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「やっと来たわね。“国家霊能力警察”。」
「ご苦労様。鈴音。貞滋。」
この中でも上の立場に当たる人物が二人の元へと来た。
「二人とも状況を教えてくれるかな。」
「授業中に荒鬼の気配を感じたのよ。で、駆け付けてみれば腰を抜かしたオッサンと雌猿の死体、荒鬼がいた。」
「原因はあの人が雌猿を撃ち殺してそれによってもう一匹が荒鬼になってしまった。…ここが狩猟禁止区域にも関わらずね。」
遠くから「班長!」とこの男を呼ぶ声が聞こえる。
「ねぇ、父さん。あのオッサンの処分はどうなるの?」
班長の名は仲達明(ナカダチアキラ)。鈴音の父親であり、国家霊能力警察第二班班長である。
「多分記憶を書き換えたのち罰金処分だろうね。」
明はそう言い残すとその場を立ち去った。
残された二人はあまりの衝撃に気を失ってしまい担がれている男を見ていた。その表情は悔しさが滲み出ていた。
「やることやって戻るわよ。」
「早く戻らないとマーヤに言われちゃうもんね。」
その後、二人は雌猿を埋めてあげてから学校へと戻った。
戻ればすでに次の授業が半分終わっていたのでまた屋上にてサボっていると休憩時間になったマーヤに見つかり説教されるのであった。
「明日の天気は何かな。」
鈴音とマーヤのくだらないやり取りを横目に貞滋はのんきに明日の天気の心配をしていた。
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