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今日は職員会議で学校が半日しかない。
屋上から見下ろせばこれからどうするかウキウキと話ながら帰る生徒達。そんな中、鈴音と貞滋は屋上にいた。明らかに生徒とは思えない青年と共に。
「はぁ?!『黒猫を捕獲せよ』ってどうゆうことよ!」
「まぁまぁ、鈴落ち着いて。」
貞滋に続きスーツを着崩した男が言う。
「そうそう。カリカリしてると可愛い顔が台なしだよ。」
「良い厄介払いじゃないの。この指令。」
鈴音はくしゃっと持っていた紙―基、指令書―を握り潰す。
「黒猫現れしところ荒鬼の姿あり。その後には荒鬼の屍の山あり。って今言われてるくらいなのよ。どうしてこうもめんどくさそうなのが回って来るのかしら。」
「明さんの愛情の裏返しだって。可愛い子には旅をさせろって言うしね。」
呑気にジュースを飲みながら貞滋は今さらでしょと付け加える。
「あの~。」
今まで相手にされなかった青年が言う。
「俺のことスルー?」
鈴音と貞滋は冷ややかなそして憐れむような目でその青年を見る。
「ちょっとその目何?!貞滋ちゃんまでどうして乗っちゃうの!?」
青年は貞滋の肩を掴みガクガクと揺さぶる。
「ごめん。ごめん。冗談だよ聖二(セイジ)さん。だから揺らさないで!零れるって!!あとちゃん付けは止めてくれるかなっていつもいってるじゃん!!」
「どうしてこんなチャラチャラとした男が副班長なのかしらね…。」
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