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二人は真剣に資料を読む。
「さぁ~てと。俺はそろそろ行くか。あまりサボると後が恐いしね。」
「「サボる??」」
思わぬ一言に二人は同時に顔を上げた。
そして携帯を出し時間を見る。
二人がここにきたのは20分程前。聖二から連絡があってすぐに来た。その時既に聖二は屋上にいた。
「あんた来たのいつよ。」
「屋上には30分くらい前かな。」
屋上には…。
「ってことは聖二さんいつ学校に来たの?」
「大体1時間前かな。」
そこらへんの女なら落とせそうなくらい笑顔でとんでもない言を言った。
「懐かしくて思わず見て回ってたらこんな時間だよ。いや~参ったね。」
反省の色なし。
「聖二さん…。」
「一回ここから突き落としたら生まれ変わるかしら。」
飽きれる貞滋に恐ろしいことを言う鈴音。
その空気を読みとりさっさと退散する。
「じゃあ頼んだよ。
その恐い顔じゃモテないよ鈴音ちゃん。」
「黙ってさっさと帰れこのチャラ男!!」
いらぬ一言に思わずその場に転がっていた忘れ物と思われるボールを投げつけた。
「あっ。」
貞滋の目には投げつけたボールは聖二が出て行ったドアに当たって跳ね返りフェンスを超え下へ落ちていった様子をとらえていた。
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