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「来たれ!『四頭獣』!」
呪符を赤く歪んだところへ投げつければそこから炎が噴き出し四頭の獣が出てきた。
『久しいの。小娘に小僧よ。』
『ふぁ~あ。いい夢見てたのに。』
『ねぇねぇ。こいつら全部ぶっ飛ばしていいのかっ。なぁ鈴音~。』
『…。』
大きさはゴールデンレトリーバーくらい。犬ののような容姿をしているが牙が出ており、何より足が1本ずつしかない。
「相変わらず年寄りくさい喋り方ね、焔。」
右前足しかない喋り方が年寄りくさいのが焔(エン)。
「寝るのはこの妖達を全部倒してからよ。蜜柑。伊吹はちょっと落ち着きなさい。」
左前足しかないのが眠そうにする蜜柑(ミカン)、右後ろ足しかないのが落ち着きのない伊吹(イブキ)。
そしてぼーっとしてる左後ろ足しかないのが葵(アオイ)である。
『じゃあ暴れるかっ!』
意気揚々と妖達の中に突っ込んで行く伊吹とその後を仕方なくと言った表情で葵が追う。
『ところで小娘よ。』
焔は面倒臭いと隠すことなく表情に出して鈴音を見上げる。
『この数の妖と前方の妖達とこの力はなんじゃ?』
その問い掛けにしれっと答える。
「標的はあの力をもつ者。さすがにこの数を私とテージだけじゃ逃げられちゃうからね。そこでよ。」
鈴音は首にかけている勾玉のついた首飾りを取り出す。
「封印解くから追って。テージ。」
「はぁ?」
言われた本人はいきなりすぎて思わず聞き返してしまった。
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