2.化け猫

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「人間の足より獣の足が早いでしょ。この中で誰が一番かって言われたらテージでしょ。」 確かに…と貞滋は思う。 『じゃあ僕達が呼ばれたのはなんで?』 蜜柑はまだ眠そうにしている。 「私一人で倒す訳ないじゃない。」 要はめんどくさいだけでは? 貞滋と焔の溜息が重なった。 「封じられし力よ。」 そんな溜息をさらっとながし、ぶわっと鈴音の周りに霊力の風が巻き起こる。 「血をもちてその身を制し、契約名の元に従え。」 鈴音は指を切り、自分の血を勾玉へと一滴落とした。 「解!!」 勾玉が光り、音をたてて割れ消えた。 すると貞滋の体が光り、一瞬目が開けれないくらい光るとそこには“人影”はなかった。 あるのは九つの尾をもつ馬くらいの大きさの“狐“がいた。 「ある程度なら雑魚達を引き付けてあげるわ。あの力はおそらく私達が捜してる黒猫よ。逃がさないでテージ。」 『どうにも言えないけどとりあえず行ってくるよ。』 九尾の狐―基、貞滋―は一瞬にしてその場にしてから消えた。 「さてと。焔、蜜柑、伊吹、葵。最大まで…とはいわないけど妖力を上げて!」 『どうして?』 伊吹が妖を倒しながら問う。 「貞滋には捕まえることを優先してほしいのよ。いいから妖力を上げなさい。」 言いながらも鈴音は霊力を上げていく。
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