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「人間の足より獣の足が早いでしょ。この中で誰が一番かって言われたらテージでしょ。」
確かに…と貞滋は思う。
『じゃあ僕達が呼ばれたのはなんで?』
蜜柑はまだ眠そうにしている。
「私一人で倒す訳ないじゃない。」
要はめんどくさいだけでは?
貞滋と焔の溜息が重なった。
「封じられし力よ。」
そんな溜息をさらっとながし、ぶわっと鈴音の周りに霊力の風が巻き起こる。
「血をもちてその身を制し、契約名の元に従え。」
鈴音は指を切り、自分の血を勾玉へと一滴落とした。
「解!!」
勾玉が光り、音をたてて割れ消えた。
すると貞滋の体が光り、一瞬目が開けれないくらい光るとそこには“人影”はなかった。
あるのは九つの尾をもつ馬くらいの大きさの“狐“がいた。
「ある程度なら雑魚達を引き付けてあげるわ。あの力はおそらく私達が捜してる黒猫よ。逃がさないでテージ。」
『どうにも言えないけどとりあえず行ってくるよ。』
九尾の狐―基、貞滋―は一瞬にしてその場にしてから消えた。
「さてと。焔、蜜柑、伊吹、葵。最大まで…とはいわないけど妖力を上げて!」
『どうして?』
伊吹が妖を倒しながら問う。
「貞滋には捕まえることを優先してほしいのよ。いいから妖力を上げなさい。」
言いながらも鈴音は霊力を上げていく。
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