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二人は視線を交わすと一歩後ろへと下がった。
「闇に捕われし者。光よ誘え」
蜜柑、伊吹、葵は鈴音の声に反応し素早くその場から飛び去る。
「囲え」
―パンッ
拍手(カシワデ)を打つと期枚の札から光が繋がれた。その模様は円形に繋がりそれは防護壁の役割ををしている。中は星模様に線が繋がれた。
妖達が出ようともがくが円形の防護壁に阻まれ出ることが出来ずドンドンと音を立ててぶつかっていた。
その様子を冷めた目で見る。
「滅。」
一言呟くと中の星模様が直視できないほど光輝き目を開けたときそこは今まで妖達のいた気配すらなくあるのは鈴音の使った術の跡だけだった。
『おい!鈴音!俺達まで巻き込むつもりかっ!!』
伊吹は鈴音にくってかかった。
「暴れることに夢中で気づかないアンタが悪いのよ伊吹。」
その言葉に蜜柑と葵は頷く。
『なんで頷い「ペシンッ」う゛ん!?』
鈴音は伊吹の口に札を張り黙らせた。
『さっさとせぬか小娘。』
札を剥がそうと暴れる伊吹を焔が抑える。
鈴音の意図を察してか蜜柑と葵も寄ってきた。
「結構離れたわね。行くわよ。」
その言葉に四頭は一斉に吠えた。
(一頭もごもごとしているが…)
すると四頭は炎に包まれ姿が見えたと思えばそこには四つの頭を持つ犬のような妖が現れた。
これが本来の四頭獣の姿である。
鈴音が四頭獣に飛び乗ると颯爽と駆けていった。
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