3.禁断の契約

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幻鏡国(ゲンキョウコク)―。 古(イニ)しえから妖怪、幽霊といった妖(アヤカシ)が住む国。 人と妖。 違う存在でも認め合い、そして助けあって暮らしていた。 妖の中には人の姿をしている者達もいた。そう。人と妖は共存こそするものの決して同じ存在ではない。 しかしわかっていても交わってしまった者達がいた。 その二人が授かった子は異質だった。 かつて霊力は全ての人に存在した。 しかしその子供は生まれ持った霊力が強大だった。 いつの世も中には悪事を働く輩がいる。 人、妖関係なく。 やはりどうしても妖達の方が力が強く手に負えないこともしばしばあった。 そこで目を付けられたのがその子供だった。 悪事を働くもの―人、妖関係なく―懲らしめるのに使われた。 まるで操り人形のように。 見かねた両親はその子供を連れて逃げ出した。 そのお奴がいなくなると強大な力に目がくらんだ人々は人と妖を無理やり交わらせ、力を手に入れようと狂いはじめた。 妖達は抵抗する度に人を傷つけてしまった。 それで何時しか人は妖を畏怖し、そして妖達を見る力は一部の者のみに残り消えた。 力のない者達にとって妖達の存在は恐怖の対象でしかなくなった。 そのくせ面白いネタだとテレビで囃し立てる。 あまりにも身勝手な人間達に妖達は人を憎み、恨んだ。 そしてその負の感情に制御が効かなくなると襲い始めるようになった。 そして人はそれを防ぐために力のある者達で組織を作った。 東西南北の4家を中心として。 この国を守るように。 その一つがこの仲達家である。
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