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―バンッ
鈴音がテーブルを叩いた。
「な、何なんだよいきなり。びっくりするだろ!」
「どうしてそうも馬鹿なの?類は友を呼ぶってこのことかしら。」
二人は訳がわからないと言う顔で鈴音を見る。
「疑問に思わないのかしら?
何で楓は急にみのるが見えたの?それまでは気配のみだったんでしょ。何故かはわかってるのかしら。」
鈴音の言葉に二人ははっとする。
『なんでオイラが見えたの楓!?』
「そんなの俺にわかるかよ!」
「『何で?』」
二人は貞滋に答えを求めた。
「はっ?俺??」
いきなり答えを求められ思わず聞き返してしまった。
「だってあっちのちっさいの答えてくれそうにないし。」
“ちっさい”と言う言葉に鈴音は反応してしまうが横から貞滋が何とか抑えた。
「あんたも十分ちびよ。」と言う呟きに苦笑して。
「人の中には稀に妖の妖力と人の持つ霊力の波長が同調して見えるようになる人もいるんだ。それが偶然が元からあったものかはわからないけど。
楓の場合それがみのるであって、多分だけど元から霊力を扱える力があってみのると出会い、同調してその力が開花した。だからみのるを扱えたんだと思う。」
「俺にそんな力が…。」
楓は両手を見つめる。
「っし!みのる。これからばんばん妖倒していく「この大馬鹿者!」あだっ!」
楓のあらぬ発言に鈴音は手元にあったお盆を思い切り投げつけた。
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