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「何言ってるの?楓、あんたが出会った妖はあんたを狙ってきていた。だから妖は悪いものと認識しているようだけど私達は無差別に倒してる訳じゃないのよ。」
そう言って立ち上がる。
「この話しの続きは別の部屋で。」
貞滋も立ち上がる。
「俺達のこともまだ言ってなかったし妖霊媒師四家の一つこの仲達家の当主が帰ってきたから話すにあたっていてもらったほうが今後のためにもいいしね。」
『当主?』
みのるが首を傾げる。
「そう。鈴のお父さんだよ。」
*******************
上座には掛け軸に生け花。そんな今まで通されたことがないような座敷に通され、楓は縮こまって座布団に座っていた。慣れていないことがまるわかりな正座で。
「みのる、何キョロキョロしてんだ?」
肩に乗ったみのるは辺りをキョロキョロと見回す。その度に首の後ろで結わえているみのるの長い髪が頬に当たってくすぐったい。
『なんか変な感じがしゅ(す)る。なんかむじゅ(ず)痒いような、とにかく落ち着かない!何も感じないの?』
「俺も落ち着かないって。この空気が。」
楓はとりあえずみのるを肩から頭の上に乗せた。
頭の上に位置を変えても落ち着く様子はなく、ちらりと鈴音と貞滋を見てみるが特に変わった事もなく小声で何かを話しているだけだった。
『駄目~。楓、オイラこの部屋きらい。』
頭の上でもぞもぞと動く。
訳がわからず二人に助けを求めようとした時鈴音が立ち上がった。
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