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襖の前に立つと手をかざした。
「解。」
一言呟き襖を開けた。
「さすがに意地が悪すぎるわよ。父さん。」
そこには国家霊能力警察第二班班長仲達明がにこやかな笑みを浮かべて立っていた。
「いやぁあまりにも鈍感すぎてどのくらいで気付くのかと思ってね。」
明は楓の目の前の座布団に腰を降ろした。
「頭の上に乗ってる風の御子も悪かったね。もう違和感はないと思うのだけどどうかな?」
それまでもぞもぞとしていたみのるが急に元気になった。
『あれ?じぇんじぇん(全然)平気だよ!』
違和感がなくなったのが嬉しいのかふよふよと部屋の中を飛び回る。
「さて、自己紹介が遅れたね。私は国会霊能力警察第二班班長の仲達明(ナカダチアキラ)だ。そこの二人の父親でもある。」
楓は明から二人へと視線を移す。
「………………………。
って?えぇ!?二人は兄弟なのか!!?さしずめ面倒見のいい兄とわがままな妹ってところか?」
二人を凝視したあと思わず叫んでしまった。
『ということは九尾が二匹も!?』
ふよふよと飛んでいたみのるが勢いよく楓にしがみつく。
『どどどどうしよう楓ぇ~。』
「妖だからなんか怖かったのか。」
『最強(凶)最悪のしゅじょく(種族)が二匹も!』
「やっぱり兄と妹だよなぁ。」
『いやだぁ―!』
好き勝手に騒ぎだした二人。
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