3.禁断の契約

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「誰が妹なのよ…。誰が妖かっての。」 「う~ん。仕方ないんじゃないかな。」 貞滋は思わず楓に同意してしまった。 「何よ。」 「うん?見たまま?」 今だ騒いでいる二人と横からの笑いを含んだ視線。 「はっはっは。鈴音と貞滋が兄弟。鈴音が妖。はは、的を得てるなぁ。はっ駄目だ。笑いが…。」 そのうえ明まで笑い出す始末。 とうとうぶちっと何かが切れる音を貞滋は聞いた。 鈴音が急に立ち上がりまず貞滋の頭を軽く叩くき、次に楓とみのるの近くまでいくとみのるにデコピン、楓の鳩尾に思い切り蹴りを入れた。 『ぴゃぁ!』「ぐへっ。」と変な奇声があがった。 「さっきから黙っていれば好き勝手言いやがって。私達は兄弟でもなければ私は妖でもない!」 「まぁまぁ、落ち着きなさい鈴音。」 笑い涙を拭いながら明は鈴音を宥める。 「自己紹介してない方も悪いんだから。」 鈴音はその言葉に反論出来ず元の位置に戻った。 そして明の視線に促され渋々口を開いた。 「仲達鈴音。」 「柊貞滋。」 楓は二人の名前にきょとんとする。 「あれ?苗字…。」 「この二人は兄弟ではない。鈴音は血の繋がった娘だが貞滋はちがう。」 「それ以前に俺は人間ではないしね。」 明の言葉を引き継ぐように貞滋が自分の正体を明かす。
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