3.禁断の契約

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みのるの言葉に鈴音と貞滋は感心する。 「さすが御子だね。」 「使い手は馬鹿で、未熟者なのが残念だけどね。」 「契約ってなんのことだよ。ってか鈴音!今俺を馬鹿にしただろっ!!」 二人の間には火花が散った。 「ゴホンっ。」 明の咳ばらいによって二人の冷戦は終る。 「楓君はこんな話しを知ってるかい? 昔、異なる血を受け継いだ子供がいたと言う話しだ。」 「あぁ、それならみのると会った時に聞いたことが…。確かすごい力持ってて、それが原因で妖と人の仲が悪くなったって。」 明は頷いた。 「それと同じさ。」 楓は訳がわからないと顔全体で示した。 「人と妖の血を混ぜてしまえば強大な霊力を手に入れることができる。つまり契約とはお互いの体内にお互いの血を入れて霊力または妖力を強大にすることよ。」 「だだし双方にメリット、デメリットが存在するんだ。」 甘い話しには裏がある。いつの時代もそれは変わらない。 「人は強大な霊力を有するけど全く異なる血を体内に入れるんだ。ただで済む訳がない。 妖は同時にその人と主従関係になり主の許しが出れば前以上の力をだせる。ただし主が死ねばその契約している妖も死ぬ。」 リスクが大きければ見返りも大きくなる。 人は血を入れると体中に激痛が走り丸一日はそれに苦しむ。 一方、妖は痛みは無いが主従関係となり自由を失い長寿の妖にしてみたらあっという間に死期が来てしまう。その変わり主が許したとき強大な妖力を使える。
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