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「じゃあ俺た「ただし、」」
楓の言葉を鈴音の鋭い声が遮る。
「ただし、九割の確率で人は死ぬわ。想像絶する痛みによるってね。」
「それとこれは妖の方にデメリットがありすぎるんだ。
契約してしまえばたった数十年で生涯を終えてしまうからね。」
『しょうか(そうか)。オイラたちは何もしなければ千年は生きられる。』
楓は想像もしていなかったことにどう対応していいかわからず必死に頭の中を整理する。
「イマイチよくわかんねぇけど結果的に言うとお前ら二人は契約したってことだよな。だからあんなにもすごいその霊力?ってもが使える。」
楓の出した結論は一番簡単なものだった。
でも…。と疑問を口に出す。
「俺とみのるはどうなるんだ?理由はどうであれみのるを使ってることには変わらないし契約した覚えなんでないぞ。」
楓の質問に三人(明以外の)は目を丸くした。
口に出してしまうとまた何か言われるのはわかりきっているので(俺だってそこまで馬鹿じゃねぇんだよ!)と心のなかで叫んでみる。
「それはその子が“風の御子(カゼノミコ)”だからだ。」
楓とみのるは同時に明へと視線を移す。
「この国に四季と言うものがあるのはそれぞれの季節を司る妖という括りのなかの精霊という者達がいるからだ。そしてその精霊達の下には仕える妖達がそれぞれ存在する。その仕えている者達の中にも位が存在し、その最高位にいるのが“君達”だよ。」
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