3.禁断の契約

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みのるは目を丸くする。 この国には四季が存在し、春夏秋冬それぞれに精霊がいる。そして仕えている妖達はそれぞれでことなり、他の精霊には仕えることができない。 例えば春の場合。 春の精霊の下には桜の木の妖がいる。この妖は桜を春になれば桜の花を咲かすがこれが夏にも咲くかと聞かれればそれは咲かすことができない。 冬には雪が降るが暑い夏に降るわけがないのも同じである。 だが唯一共通するものが“風”。 風は変わることなく一年中吹いている。 それ故風の妖は仕える妖達の中で唯一精霊と対等な位置にいる。 そして風の妖は姿を扇に変えることができると言われる。 みのるは風の妖の子供、五人の内の一人なのだ。と言っても何人子供がいるか正確な数はわかってはいないのだが。 「結局いま楓が使えているその力はみのる自身のものなんだ。」 「ふ~ん。じゃあその契約とやらはしなくてもいいや。友達にはつらい思いしてほしくないもんな。」 『楓…。』 にかっとみのるへと笑いかける。 「でもさ。」 ふと思い出したように楓が鈴音と貞滋を見る。 「なんで二人は契約したんだ?」 「この世の中には知らなくていいことがたくさんあるのよ。」 鈴音は不機嫌さを隠さず即答した。 『ちょっと楓!?聞いていいことと悪いことがあるでしょ!?』 それに気づいていない楓に思わずみのるが注意する。 「でも霊力の使い方は知ってもらわなきゃね。」 『「へっ??」』 先程とは違いものすごい笑顔に隣にいる貞滋は苦笑した。
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