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「みのる君の場合使い手の霊力が高ければより強くなれる。それは全て楓君の霊力がどこまで上がるかによるんだよ。」
「それは俺自身の霊力が強くなればみのるも強くなれるってことか?」
明の言葉に急にプレッシャーがかかってきた。
「大丈夫よ。私が鍛えてあげるから。そこら辺の妖霊媒師より強くしてあげるわ。」
鈴音が惚れ惚れする笑顔で言う隣では貞滋が遠い目をしていた。
『オイラ別に強くならなくてもいいよ。楓と一緒に暮らしぇ(せ)ればいいんだ。しょもしょも(そもそも)強くなることになんの意味があるの?』
みのるは不安そうに鈴音に投げかけた。
その瞬間に鈴音の雰囲気が180度かわった。
「何甘いこと言ってるの。意味なんて大有りよ。
自分達が今まで何に狙われてきたか忘れたの?逃げることしかできなかったけど二人出会って戦うことを覚えた。それで得意気になってんじゃないわよ。
この世のなかにはあんた達よりも私達よりも強い奴らなんて沢山いるの。そんな相手に通用するとでも?
いい。私達は霊力があるから狙われるの。人からも妖からも。そのために強くなるの。自分や大切な人達を守るために。」
「楓達みたいに霊力を持つ者達は全て国に登録されるんだ。
この国は妖によって引き起こされる犯罪も多い。登録さえしていれば例えば取り付かれて事件を起こしたとすると刑が軽減されたり場合によっては無罪にもなる。だからそのための法律や裁く者にも霊力が必要となってくるんだけどね。」
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