3.禁断の契約

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楓とみのるの頭の上にははてなマークがいくつも浮かんでいるのがわかった。 鈴音は大きく溜息をつくと立ち上がった。 「いい。あんた達のために簡単にわかりや~すく言うと強くなるのは自身を守るため!そして登録はしてたら何かと便利だからよ!」 びしっと指差しくわっと元々大きな目を見開く。 「わかったわよね。」 その迫力に二人はこくこくと頷くしかなかった。 「どーどー。鈴落ち着こうか。」 隣で貞滋が服の裾をくいくいと引っ張る。 鈴音はそれを一瞥し、ぺちっと軽くその手を叩いた。そして今だ固まってる二人の元へ向かい手を取り引きずる。 (みのるは手で掴んでいた。) 「はっ?えっ鈴音どこ行くんだ?」 動転してる頭では引きずられていることに対してのツッコミではなくどこへ行くかの方が大事みたいだ。 「登録しに行くわよ「あぁ、鈴音。」」 今までお茶を飲みながらやり取りを見守っていた明が思い出したように口を開いた。 「楓君とみのる君の登録もう終わってるから。」 「『えっ!?』」 その瞬間みんなが固まった。 八つの瞳が明を凝視する。 いち早く正気に戻ったのは鈴音だった。 「じゃ特訓するわよ。」 「『えっ!?』」 この親子には着いていけないとでも言うように楓とみのるは貞滋に無言で助けを求める。 (うわぁ~。捨てられた子犬みたいな目でみられてる。でもごめん。俺にはどうすることもできないんだ。) しかしこの親子のマイペースは今に始まった訳でもなく貞滋にはどうすることもできなかった。 「逝ってらっしゃい。」 鈴音の特訓の恐ろしさ(厳しさ)を身を持って知る貞滋は見送ることしかできなかった。
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