4.友人

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蜜は昔(本人もいつかは覚えてないらしい)、生神(イキガミ)様として生贄にされた少女である。今では神社に住み着きその区画の妖達を仕切っている姐御的な存在であると同時に参拝しに来た人の願いを叶えようと奮闘している。 だが唯一の欠点が恋愛大好きでそこを刺激されたのか怪しい笑みを浮かべると貞滋の後ろから消え鈴音のすぐ後ろに現れた。 そして耳元に口を寄せ囁く。 『嫉妬?』 「誰が?何に?」 照れ隠しとかそんなのではなくあまりにも真顔で言うので蜜は拍子抜けしてしまった。 「そんなことはどうでもいいのよ。蜜、頼んでたことは突き止めたんでしょうね。」 語尾が疑問形でないことを考えると何だかんだ言いつつ自分は信頼されてるんだと思う。だから自分もこの少女達に協力するんだと蜜は思った。 『もっちろーん。 二人が探してる黒猫なんだけどどうも長い間逃げてたみたいで妖力を抑えきれなくなってて今は神守の森(シンシュノモリ)で隠れながら逃げてるみたい。』 「神守の森ね。考えたわね。」 「あそこは妖達が沢山いるから自分の妖力を隠すのにちょうどいいかもね。」 「それともう一つの方は?」 鈴音の目が鋭くなる。 『それが全く駄目。噂が独り歩きしたみたいに広まっていったみたい。“妖力と霊力を合わせもった黒猫がいる。そいつを喰らえば強大な力が手に入る”ってね。』
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