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妖力と霊力。人と契約した際に多少混ざることはあるが結局は元から持っている方が勝つ。なので異なる力を同時に持つことは有り得ないと言っても過言ではない。
もしその噂を信じ喰らったとしても力に耐え切れず死に至るだけだ。
『でも噂を流した本人はなんでこんなことするんだろうね?』
そう。噂を流した張本人の意図が見えない。今までこんなことなかったから何か起こりそうな予感が鈴音にはあった。
「さぁ行きますか。早く終わらせないとまだ小言言われるわよ。」
「同じ屋根の下で終始小言言われるのは堪えるもんね。」
「そうよ。何としても阻止するわよ!
…て事で蜜ありがとう。もう帰っていいわよ。」
そう言った瞬間ガバッと貞滋に抱き着いた。
『えぇー。せっかく久しぶりに会えたのにまだ貞滋ちゃんと離れたくないよぉ。』
『貞滋ちゃ―ん。鈴音ちゃんが虐める―。』とシクシクと嘘泣きまで始める。
抱き着かれ身動き取れない当人はちらりと携帯の時計を見る。
「8時…。」
ぽつりと零した言葉たったが抱き着いていた蜜にははっきり聞こえた。
『…えっ!?8時嘘っ!?あの人来ちゃう!ごめんね貞滋ちゃん。また会いましょ。』
8時に何があるんだと言わんばかりの顔で鈴音は呆然去っていく蜜を見ていた。
「最近イケメン神主さんに気があるみたい。」
何故そんなことを知っている?と言う鈴音からの視線に貞滋はクスッと笑った。
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