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『!?』
最後の一言はぼそっと言われたため獣である貞滋にしか聞き取れなかった。
『鈴、今あいつ“あの人に認められた”って言ってたよ。』
それを聞くと頷きさらに挑発をする。
「かなり楽しそうだったわよ。私達も初めてみたからビックリよ。どうなってるのかしら?」
「誰が教えるも「あぁ頭が悪くて理解しきれてないのね。」」
さらなる追い撃ち。質が悪すぎる。
貞滋は思わず敵に同情してしまった。
「ちゃんとわかってるさ。体ん中に埋め込ん「この馬鹿―!」」
突然聞こえた第三者の声に止められてしまった。
「あなたは何処まで馬鹿なの。自分の仕事忘れたの?それとも今すぐにでもそのおしゃべりな口を塞ぎましょうかしら。」
姿は見えないけれども肌に殺気が突き刺さる。
「忘れてないよ。今行くところだったんだ!捕まえてくるから報告は無しだからね。」
焦った様子で黒猫を捕まえるべく山の中へと消えていった。
残された鈴音と貞滋は追うこともなくただその場に留まっていた。
「どう思うテージ。」
『どうもこうもさっぱりだよ。ただもう少しで話してくれそうだったのにあのお馬鹿さん。』
貞滋の言う通り先程の人物は超ド級の馬鹿だろう。
「そうなのよね。ちょっとタイミングが良すぎないかしらっ。」
鈴音は札を一枚取り出すと後方へと投げつけた。するとある場所で止まり、パリンと言う音と共に結界が破れマントをすっぽりかぶった人物が現れた。
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