4.友人

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******************* 神守の森は山の奥へと入るにつれ傾斜は急になり足場も悪くなる。 そんなところを子供が走れる(登れる)だろうか。 答えは聞くまでもないだろう。 そんな道なき道を黒猫はひたすら進む。 運悪くまた子供の姿に戻ってしまったが…。 (まだか。まだなのか。) 何が黒猫をそうさせるのか。 何の目的があって進むのか。 (あの時お主は申したであろう。) 《この先君のその力は君自身を殺してしまうよ。》 まだ幼き時。その力故生まれて間もなく独りになった。 何もわからず独りで生きていくには幼すぎた。 《困ったら僕をお探し。君は僕の友達だ。まだまだ先になるとは思うけど力を貸そう。》 子供のあどけない笑顔。 その時は何を言っているのか理解できなかった。 (じゃが今ならわかる。) 《あはっ。なんでって顔してる。ふふっ。僕はね春の精霊なんだ。》 (なぜわしに声をかけたのか。) 《一つ呪いをかけてあげる。》 子供が悪戯を思いついた顔をしていた。 《その力が抑え切れなくなったら僕を思い出すように。そしてこの場所で僕の名をお呼び。そうしたら僕は応えよう。》 なぜあの時寂しいそうな目をしたのか。 (すまぬ。お主にすがるしかのうなってしもうた。) だから名を呼ばせておくれ。 《僕の名はねー》 黒猫は力の限り叫ぶ。 「緑(リョク)ー!!」 その瞬間結界が割れた。
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