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「貞滋!」
「相手は猿の妖だよ。」
二人は目の前に見える森を見つめたまま街中を走り抜ける。
「微かだけど硝煙の臭いが残ってる。」
「あの森は貴重な草木があるから狩猟は禁止されてるはずよ。
どこのどいつよ。そんなことする大馬鹿は。」
「あそこの木の根元で腰ぬかしてるオジサンじゃないかな。」
目の前には30後半くらいの腰をぬかして動けない男と、全長は5メートルくらいはあるだろう猿のような化け物が見えた。
「や…止めてくれ!くるな!撃つぞ!!」
男は手に銃を持っているがその手は恐怖で震えていた。
『ギャアァ!』
猿の化け物は口を大きく開けて叫ぶ。
「うあぁぁぁぁ!!」
―バンッ!バンッ!!
男は驚き引き金を引いた。
銃弾はニ発とも心臓あたりに命中したが多少痛みを感じたのか首を傾げるだけで致命傷にはいたらなかった。
『ギャアァァァ!!』
化け物は男に襲い掛かる。
「誰か助けてくれぇぇ!!」
男は恐怖でめを閉じ頭を抱えた。
だが痛みはいつまでたってもおそってはこない。
恐る恐る目を開けると目の前には見知らぬ少女と少年が立っていた。
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