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…バタン
医院長室に戻り、息をつく
彼の部屋には豪華な舶来品が飾られている
それを集めて眺めることが彼の趣味でもあった
休みがとれないので、こうした趣味を始めた
医院長室に置かれた仮眠用ベットに横たわろうとした時、机上の電話が鳴った…
『こちら柳田医院です…』
『よう』
ドスのきいた声が電話の向こうから聞こえた
あぁ…彼だ…
それは彼がこの世で1番電話が掛かってきて欲しくない人だった…
無論、掛けるのも気が進まないが…
『はい…今回はどういった御用件で…』
『どういったもこうもねぇよ、分かるだろ?うちの興津がお世話になってると思うけどよぅ…』
『はい、彼なら無事複合手術を済ませ、只今こちらでお預かりしています』
『そうか…』
『2、3ヶ月経てば無事快方に向かうと思われます…』
『殺せ』
『え…はい…?』
一瞬、耳を疑った
『もう一度言う、彼を殺せ』
その声は背筋を撫でられるが如く優しく凍てついていた
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