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羊が沢山描かれた、クリーム色の長袖パジャマを着ている、腫れぼったい顔をした冴えない人間がこちらを見ていた。
「これが、自分……なのかな」
自分から頬を何回か叩くと、鏡の中の人間も同じ動作をする。
羊だらけのパジャマは、妙に可愛らしく、さらには鏡を見る限り似合っていたので、少年はちょっとばかり複雑な気持だ。
右を見れば、大きなガラスの窓があり、そこから外の様子を見る事ができた。
部屋の周りには、よく手入れされた芝生が繁り、垣根の外には白い長方形の建物が見える。
そこの窓から見える中身は、自分がここにいる部屋と大して変わりがなく、同じような造りだと思われた。
おまけに上方には青が広がる空があり、間違いなくさっきまで見ていた場所とは違う所のようである。
「あの変な空よりは、ずっといいな」
なんとなく、そのただただ広がる青を少年は綺麗だと思った。始まりも終わりも見えない、空。
ぼんやりしつつ、また夢の世界へと引きずり下ろされそうになる少年に、入口のドアの近くから、轟音が襲いかかった。
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