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男子二人組について行くと、建物の外へ出た。朝特有の水気を含んだ空気が、少年には心地よく感じられる。
コンクリートの通路が、目の前にある学校の裏口へと繋がっていて、その周りには芝生が青々と繁っていた。
裏口を入ってすぐ、そこに教室はあった。男子二人がそこへ入ってゆくのを見て、少年も後に続く。
正方形の木のブロックが敷き詰められた床に、純木製の椅子と机が、碁盤の目のように置いてある。そして、そこには少年と同じ制服を着た男女が、思うままに椅子に座ったり立っていたりしながら、思い思いの相手と話をしている。
普通の生徒なら、自分の席に向かうのだろうが、生憎と少年は自分の席が分からない。
困ったようにおろおろしていると、後ろの方にいた女子が一人、こちらの方へとやってきた。
「あ、あの……ここが教室ですか?」
少年はそう言った後、その女性をよく見てみる。栗色の豊かな髪を広げて、目が眠たそうに少し垂れている、柔らかい印象の女性だった。
「ええ。春明とはもう会ったのですか?」
少女が微笑みながら聞いてきたので、少年は頷いてみせる。
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