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景子は視線を俺達へ向けると涙目になりながらも笑顔でピースサインをした。
大丈夫だから…
絶対に勝つから
景子からそんな言葉が聞こえてきた気がした。
「景子のやつ…
無理して笑いやがって。
死ぬほど怖い思いをしてるって事くらい馬鹿でもわかるっつうのにさ。」
大吾は景子と同じ涙目になりながら悔しそうに言った。
「フフ…
それじゃ始めましょ。
まずは一回目
普通にじゃんけんぽんで出してね
後出ししたら勿論駄目だからね。
いくわよ…」
女が不気味に笑い右手を挙げた
景子は一瞬にして真剣な表情へと変わった。
緊張感が俺達にも伝わってくる。
『ジャンケンポンッ!!!!』
掛け声とともに、2人の右手は前へ出された。
2人の手の形は同じじゃない
すなわち
あいこではない
「あっ…」
大吾が思わず声を上げた。
「あら…
どうやら私の勝ちね。
ごめんなさいね
フフフ…」
女の声が聞こえてきた。
女はグー
景子はチョキ
一回目
景子の負けだ。
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