あなたの為に

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掛け声とともに俺は目を瞑った。 一瞬にして静まり返った。 俺はゆっくりと目を開け二人の出された右手に注目した。 女の手はパー そして景子の手は チョキ… 「ぃよっしゃぁぁッッ!! 景子が勝ったぁぁぁ!!! これで4勝目 あと1勝で完全勝利だぜっ!! 神様ありがとぉぉッッ!!」 俺が歓喜をあげようとした時 先に大吾が大声で叫んだ。 「たいしたもんだ!! いやぁ本当に凄いなぁ 景子ちゃんは!!」 佑樹さんも嬉しそうに喋り出した 「やったね!! あと1勝だぁ!! もう私の勝ち決まりっしょ!!」 景子は余裕の笑みを浮かべながらも喜んでいる。 本当に凄い これで景子が圧倒的に有利だ。 運が向いているうちに次の勝負で決めたいものだ。 俺はふと女へ視線を向けた。 すると先程まで不気味に笑っていた女の表情から笑顔が消えている。 今は焦りの表情となっていた。 もう女に余裕はない 次の六回目で景子が勝てば このジャンケン勝負は終わり こんな馬鹿げたゲームは終わりだ
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