あなたの為に

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「ま…負け…」 負けてしまった景子は一回戦で一気に恐怖感に襲われ顔面蒼白となっている。 「景子ッッ!! まだ一回目じゃねぇか! これから勝てばいいんだよ!! 諦めんなよっ!! 絶対に諦めたら駄目だ!!」 大吾は扉を何回も叩きながら叫んだ。 だが 景子には何も聞こえていない。 遠くを見つめ ただ体を震わせていた。 景子は死に怯え絶望感に包まれ放心状態となってしまったようだ。 俺達は必死に景子の名を叫んだ。 諦めたら駄目だ まだ死ぬと決まったわけじゃないんだ そう伝えたいのに 景子には届かない。 「フフ… あなたの負けだから 早速服を一枚脱いでもらうわよ。 約束なんだから ちゃんとやってもらうわよ??」 女は嬉しそうな声で景子に向かって続けて話した。 「自分で脱げないなら 私が脱がしてあげるわよ??痛くしないから大丈夫。 ただ脱がすだけだからね。」 女は震える景子に向かって一歩踏み出した。 ギシッッ… 床から軋む音が聞こえた。 「…ハッッ!??」 その音で景子が我に返った。
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