あなたの為に

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「もうこうなったらとことんやってやるわ!! さっさと二回目始めましょ!!」 景子は何か吹っ切れたように活き活きとしていた。 「フフ… やる気が出てきたみたいね。 そうじゃなくっちゃつまらないものね。 早速二回目 始めましょ」 女はすっと手を振り上げた 二回目だ 次こそ景子には勝ってほしい 「景子ちゃんだけがこんな事になるなんて… 不甲斐ないな」 佑樹さんはがっくりと肩を落とし俯いた。 「佑樹さん!! 仕方ないですよ。 すっごい悔しいですけど 結局何もできない。 それなら今は 景子が勝てるようにみんなで祈りましょう。 それしか 今の俺達にはできないんですよ。 景子ならきっと… 絶対勝ちます!! 大丈夫ですよ!!! 信じましょう」 大吾が力強く言った。 そんな大吾の目は潤んでいる。 一番心配していて悔しいのは間違いなく大吾だろう。 大吾は 景子の事が好きだからな 俺はその事に気づいていた。 だからこそ 大吾の気持ちが痛いほどわかる。 景子… 大吾のためにも 頑張ってくれ 勝ってくれ…
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