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「あー、くそ。いつやっても肩がこる」
俺は、撮影でこった肩を回してほぐしながら街中を歩く。
あの後、着替えを済ませた俺たちは店長と別れ、街中の散策を再開した。
「ねぇ、ユー君。妙に手慣れてたみたいだけど、前にやった事があるの? さっきみたいな事」
「隊長、私も気になります。どういう事でしょう?」
「……私も……」
1人は面白そうに目を輝かせ、1人は不思議そうに、1人は興味深そうに聞いてきた。
俺としてはあんまり言いたくない……というより、思い出したくない事だ。だが、別に隠す事でもなんでもない。
「まあ、前にやらされたんだよ。最低でも3回は」
俺がそう言うと、3人ともが驚いたような顔をした。
「俺には3人の幼なじみがいてな。その内の1人が自作映画を撮るからって言ってやらされたんだよ。他の2人も面白そうだつって、その分もやらされたんだ。そしたら、最初に撮った宣伝用が納得いかないつって、またやらされて、その繰り返しで……」
「……気づいたら、手慣れていたと?」
段々と声が小さくなっていった俺に、シェリアは哀れそうな目を向けながら言ってきた。
いつもはからかってくるネーナも、哀れそうに笑いながら頬をかいている。
「まあ、今となってはどうでもいいんだけどな……」
疲れたように溜め息をつく。
「さ、さあ! 気を取り直して街を回ろうか!! いっぱい名所を案内しちゃうぞ~!!」
「そ、そうだな! では、隊長、ユノアちゃん、参りましょう!!」
落ち込んだ俺を元気づけるために、シェリアとネーナが俺とユノアの手を引いていく。
この後は、色々な場所を回りまくった。
展望台だとか、この木の下で告白すれば恋が実るとかいう大木とか、心霊スポットとか、色んな場所を回った。
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