俺とユノアの初めての休日

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「……ん……」  ユノアは、フラフラとおぼつかない足取りで部屋から出て行く。  さて、俺も着替えるとしようか。 「服はー……適当にこれでいいか」  タンスから服を取り出し、着替えを素早く済ませる。 「俺も顔を洗いに行くかな」 「ふみゅ!?」  俺が部屋から出ようとしたのと同時に、ユノアは部屋に入ろうとしたらしく、俺がドアを開けた際に頭を打ちつけたらしい。  額を押さえ、可愛らしくうずくまっている。 「あー……大丈夫か?」 「……大、丈夫……」  ユノアは額を押さえ、瞳をウルウルさせながら上目づかいで俺を見てくる。 「わ、悪いな。俺、顔洗ってくるわ」 「……ん、行ってらっしゃい……」  ユノアを放っておくのは忍びないが、あそこにいると俺の罪悪感が大変な事になってしまう。 「プハッ!」  さて、顔も洗った事だし、今日の予定を整理しておくか。  今日は前々から約束していた、ユノアとの街の探索だ。  約束してから時間が結構たってるけども、動けるようになったその日に、エデンを離れたから仕方ないよな?  とりあえず今日は、ウルから給料だって言われてもらったお金もある事だし、ユノアには楽しんでもらわないとな。 「さてと、朝飯作らないとな」  俺は洗面所から出て、リビングに向かう。 「そういや、ユノアはどうしてんだろう?」  俺はリビングに向かう途中、自分の部屋の前で立ち止まって、そっと中を覗いてみる。 「……スゥ……」  ユノアは、俺のベッドの上で春の暖かな日差しに照らされながら、ぐっすりと二度寝をしていた。 「もう少し、寝かせておくかな」  俺は部屋のドアを静かに閉じ、部屋から離れる。  ほとんど、休む暇なく動いてたようなもんだからな。  それに、慣れない環境にいたんだから、疲れが溜まってても仕方ないしな。  さて、冷蔵庫の中には何があるかな。  米を炊いてないから、朝はパンで決定だけど。 「これがあれば、まぁパン一枚って事にはならないな」  俺は冷蔵庫からウインナーの入った袋を取り出す。 「フライパンに油はっと、あったあった」  パンを焼きつつフライパンを暖めて、油をひいてからウインナーを炒める。 「まぁこんなもんだろ」  パンとウインナーを皿に盛りつけ、テーブルの上に置く。 「さて、ユノアを起こしに行くかな」  俺はリビングから出て、部屋に向かう。
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