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「ネーナが一番ガキっぽいって事か」
「なんだとぉ!!」
今にも襲ってきそうな勢いで、ネーナはテーブルを手のひらで叩く。
「ネーナ、行儀が悪いぞ」
「おかしくないかな、シェリア!! バカにされて怒らない方がおかしいでしょ!!」
「場所を考えろ」
その言葉にネーナは周りを見回す。
俺たち以外の客の人たちは、怪訝そうな顔でネーナを見ている。
「す、すいません……」
すっかり萎縮してしまったネーナは、ただでさえ小さい体をさらに小さくしてイスに座っている。
「さて、2人は今日はどうしたんだ?」
「散歩のようなものです。休暇なので、ネーナに誘われて少し」
「へ~、本当に仲いいな。2人って」
「親友ですからね」
シェリアは、落ち込んでいるネーナを見ると呆れるように微笑んだ。
視線に気づいたネーナは、頬をプクッと膨らませてそっぽを向いた。
なんかこう見てっと、本当に同学年なのかさらに疑わしくなるな。
まるで、妹思いの姉と少し素直じゃない妹みたいだな。
「隊長たちはどうしたんですか?」
「ん? ああ、ちょっとユノアとの約束でな」
「休日のパパさんみたいな理由だね~」
毎回思うが、ネーナの立ち直りの早さは本当にスゴいな。
「で、約束ってなんなのかな?」
ネーナが少しイラッとくるような満面の笑みで聞いてくる。
「街の探索だよ。ここに来てそんなに立ってないからな」
俺がそう言った瞬間、ネーナの目が怪しく光った気がした。
「それなら!!」
「ネーナ」
「うぐ……ごめん……」
シェリアの視線に射抜かれたネーナは、また縮こまってしまった。
「で、なんなんだ?」
よく分からないが、こっちから聞かないと話が進まない気がする。
「あのさ、暇人同士だし案内しようかな~って思ったんだけど……」
申し訳なさそうに頬をかきながら聞いてくるネーナの姿は、どこか違和感を感じた。
まぁ案内してもらえるなら助かるけども。
「シェリアはいいのか?」
「隊長、話は聞いていましたか?」
シェリアにそれを言われると普通にへこむな……。
「私とネーナは暇だからここにいるんです。いいに決まっているじゃないですか」
「そうか。ありがとうな」
「いえ。それでは早速行きましょう」
そう言うとシェリアはイスから立ち上がった。
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