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「この子は本当によく働いてくれて助かってます」
おばあさんはボクの頭をなでながら言った。
「ありがとうございます。しかし更新手続きをする場合は現金が必要になります。1ヵ月分からの更新が可能になりますが、いかがいたしましょう」
ボクは恐る恐る顔を上げた。声はとても太くてどっしりした感じだった。男の人だ。シワ一つないようなびしっとした黒いスーツを着ていた。
「支払いを1週間待ってもらうことはできないんですか?」
「申し訳ございませんが本日お支払いいただけない場合はこちらで商品の持ち帰りをさせていただくことになっております」
持ち帰り?今もう連れて行かれちゃうってこと?ボクは見えない恐怖に包まれて硬直してしまった。そんなボクの肩をおじいさんはずっと優しくさすってくれていた。
「もしこの子が戻ったら…次はどこに行くんですか?」
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