第一章

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 頭が無くなり首から血を流し倒れるウルフに、感謝の意を込めて黙祷する。  数秒間の黙祷を終え、自分の家に戻る為肩にウルフを担いで歩き出す。20分程歩いていると視界の中に一つの家が見えてくる。  見た目は丸太で作られた一階建てのログハウスで、そのログハウスの周りだけ木が生えておらず、ぽっかり開いた木々の間から日の光が差し込んでいる。  家の前に着くと肩に担いでいたウルフをその場に下ろし、青年はそのまま家の中に入っていく。数分後ナイフと木の串の様な物を数本持って青年が家の中から出てきた。  その場に置かれていたウルフの近くに座り込んでウルフにナイフを差し込み、皮と肉を綺麗に分けて肉を食べやすい大きさに切り揃える。  切り揃えた肉を持ってきていた串に刺し終えた青年は、家の左手にある石の炉の中に木の枝や木の葉が敷き詰められているところ。所謂焚き火をする所に座り同じ幅で串を刺していく。  串を刺し終わり、掌を炉の中の木の枝に近づける。青年が掌に魔力を流すと小さな炎が灯り、木の枝に燃え移る。少し経つと火の勢いは上がり肉が焼け始める。
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