怒るパズル

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みんなが後ろめたそうな顔をしている中、俺は胸倉の手を離してその場で立ち尽くした 息をはぁはぁと切らす俺の頭の中は真っ白だった ただ胸の内にあったのは罪悪感と雫の泣きそうな顔だけであった 「うっせぇよ…お前…」 …え… 顔を上げると、三年が手をポキポキ鳴らしながら俺を睨んでいた 「何?その正義ぶった台詞。お前も同じ穴の狢だったんだろ。 そんな奴が…ギャーギャー喚いて説教すんじゃねぇよ!」 確かに…こいつの言う通りだ… 二週間前はみんなと同じ側だった… おかしな噂も信じたし、影では酷い事も言った… 説教する資格なんてない… 俺は… ただの偽善者なんだ… そう思うと全身の力が抜け落ちるのを感じた すると今度は逆に胸倉を掴まれる やっぱ…こうなるよな… そして予想通り、こいつの拳が顔面目掛けて飛んできた ゴンッ! 「!!?」 何故かダメージは顔面ではなく後頭部に与えられた
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