震えるピース

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「俺は雫を異性として見てないんだよ」 「男に見えてるのか?それはお前の目が─…」 「そんな訳ないだろ!俺が言いたいのは雫の事を好き嫌いとか、そう言う恋愛対象として見てないんだよ。なんて言うか…友達って感じかな?」 俺がシシシッと笑いながら答えると、和也は両手で俺の肩を掴んで真剣な眼差しを向けた 「よく聞けよ、隼人。」 「な、なんだよ…」 「雨宮さんがそれを言うなら分かる。けどお前がそれを言うとただの負け惜しみにしか聞こえないぞ」 「うっ……確かに…」 「それにお前は雨宮さんを友達だと思ってるみたいだけど、正直それは止めておけ。だってお前、婚約者なのに目の前でキライ宣言されたんだろ?」 「…はい。…そうです」 「なら聞くけど、お前はキライな奴とたった一ヶ月くらい同棲しただけで友達、またはそれ以上になれるか?」 「……無理…かも…」 「だろ~。俺もそうだ。だからそんな甘い考えは捨てろ。雨宮さんにとって隼人はただの同居人。それ以上とも以下とも感じていない雨宮さんが友達なんて聞いたらあの木刀が火を吹くぞ」 「…はい…」 和也… 俺のガラスでできたハートを土足…いや、キャタピラで踏み荒らしすぎだよ…
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