西村絵里

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ちょっと不機嫌になった彼女を見て、話題を変えることにした。 「そういえばうちの店長どう思った? 今日けっこう言われてたけど」 彼女は前を向いたまま、今日のことを思い出そうとしている。 「ん~ちっちゃい。器がちっちゃい。話長いし、細かいし。あと見た目が臭そう」 ──けっこう毒舌をはくんだね。 でも、俺と一緒のこと思ってると思うとおかしかった。 「ははは、けっこうズバズバ言うな。店長かわいそう。……でも俺もそう思う」 俺たちは「やっぱり~」とお互いに指を差し合い顔を見合わせて笑いあった。
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