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「おーい」
彼女の呼びかけで我に返る。目頭が熱く、溢れてきそうな感情を押し殺して応えた。
「あ……あぁ、なんだっけ?」
「なんで別れたのかなって…………でもいいです。引きずってるんでしょ?」
彼女はだんだん声を小さくしながら俺とは逆の方に顔を向ける。
「え?」
声がだんだん小さくなっていったため聞き返したが、
「──だって、泣いてんだもん……」
彼女が何かぼそぼそっと言っていたが、その言葉は聞き取れなかった。
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