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大きな坂道にさしかかると、彼女は少し歩くペースを落とす。
「あたしここで大丈夫です。あの坂道降りたらすぐなんで」
そう言うと完全に止まった。
「あぁそうか。なんなら送るよ?」
「平気です。ありがとうございます」
そう言いながら彼女はもう坂道に向かっていた。
「これからよろしくな。何でも力なるから遠慮するなよ。気をつかわなくて良いから」
「じゃあ遠慮なく。今日はありがとうでした。またお願いです。おやすみー」
変な敬語になりながら彼女は坂道を降っていった。
最後敬語じゃなかったよな……まぁいっか。
そんなことを思いながら自転車に乗り暗い夜道を帰った。
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