(ねこになった彼女)

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バイト帰りにいつも別れた大きな坂道。そこに一匹の白い猫が通りかかった。 「おい、こっちおいで~」 俺は力なくしゃがみ込み、少し離れたところにいるねこに手をさしのべる。 しかしその白い猫はそれを無視し、しっぽを振りながら坂道を降りていった。 「猫は気まぐれか……」 俺の好きなねこは行き先も言わずにどっか行っちまった。 ──今度はどこ行くんだよ。 いつ帰ってくるんだ? 気づけば、今日も見上げた空は青く澄み渡っていた。
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