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「あぁ緊張する。あの、よろしくお願いしますね」
「……あ」
目があったからか、ひきつった笑顔で俺に話しかけてきた。少し茶色がかった瞳にしっかり俺が映っている。
「よろしくお願いします。俺、斉藤大輔(さいとうだいすけ)って言います。なんか──」
「なにか分からないことあったら、何でも聞きますね」
俺がすべて言う前に、彼女はちょっとほぐれた笑顔で言った。
えくぼがかわいい。そのせいか、幼く見える。
「おぅ、俺より先にそれを言われたか」
「へへっ」
俺が手を洗い、「お願いします」と表へ出ると、彼女も同じように手を洗い「お願いします」と元気に言いながら表へ出る。
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