愛しくて切なくて

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俺は雪が降った次の日に夢を見たのかな、流石の俺でも驚いた。 いつもの担当医かなとコンコンとノックするから、どうぞと言うとそこには桜が立っていたー 桜の突然の行動に驚きながらも、おぉ!久しぶり~元気にしてたかぁ?と聞くと 蓮、ホントに蓮なんだよねと声が震えていた。 当たり前だろ?俺、高城蓮だよと言うと逢いたくて、蓮から2年連絡がなかったけどそれでもどうしても逢いたくて来たの。 と今にも泣き出しそうな顔で必死に涙を堪えて笑顔で言う。 そっか、わざわざ逢いに来てくれてサンキューな。 何て言うとでも思ったか?何で来たんだよっ!俺はもうお前が嫌いになったんだよ。だから連絡もしなかった。 と心にもないことを言ってしまい、泣きながらだって約束したじゃんっ!ずっと一緒にいようねって とボロボロ泣いて泣いて化粧が取れるんじゃないかってくらいに泣いて目が真っ赤になっている。 流石に言い過ぎたかなと思いながら、俺は自分の心と葛藤していた。本音は病気のことを告げて側にいて欲しい。 でも強がりな俺は喉まででかかった言葉を呑み込んだ。というか瞳を見て言えなかった。情けない。 分かったと言うとまた泣きながら病室を出る桜の後ろ姿。とても寂しそうにしている。本当は抱き締めてあげたい。 でもいなくなる人間に逢いたかったとか 言われて、余計に辛いのはリサの経験で分かっていた。 でも、この後に桜は偶然か必然かリサにたまたま出逢い仲良い男友達の話をし出して俺の名前が上がった。そして知られたくなかった病気のこともー 駆け足でパタパタと転けながら桜がごめんね?無神経で、何にも分かってなくて 言えないよね。言いたくないよね・・。 あまりにも謝るもんだから、もういいよと俺が悪かった。言い方キツかったし。素直に言えなくてごめんな? 俺もこの2年間に連絡はとって無かったけどずっとお前が忘れられなくて今でも、、、好きだよ。 と言った後に桜はふわりと俺を包み込むように抱き締めた。
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