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病気の事があったから連絡もしなかった。お前にはいつも笑っていて欲しかったから。
だから連絡もしたかったけどずっと出来なかった。悪い。と言うとううん理由が分かったしもう気にしてないからと軽く笑う。
せめて短い間かもしれないけど最後の時まで側にいさせて? 駄目かな?と上目遣いで頼むから
負けた!負けた!好きにしろよ。その代わりお前、今は冬休みだけど学校はどうすんだ?と聞くと
あ、そういえば忘れてた。でも両親には事情を今日にでも説明して意地でも分かってもらうし。
と覚悟を決めたみたいだ。その次の日からずっと桜は俺の側にいた。くだらない話や楽しかったこと、泣けた話や
今まで逢っていなかった時間を取り戻すかのように当たり前のようにいてくれた。
こんな何も出来ない俺の側にずっと…。
たまに桜が昼寝をしている時に、無性に涙が出てくるときがあるんだ。
今が幸せ過ぎて?それともいつかこの世界から消えてしまうのが悲しいから?
どちらにしても桜が側にいてくれるだけで笑顔でいられた。 辛い発作も抗がん剤治療も耐えられた。
そう俺は白血病になっていた。発見が遅かったのとなかなかドナーが見つからず、症状は少し軽くなったと思ったら酷い吐き気に襲われたり骨に注射したりするから
痛くて叫びそうになる。だけど桜がいる時は平気な顔をなるべくしているつもりだった。
バレバレだったらしいが。顔色で分かるらしい。何ヶ月か振りに体調が良くなったから
桜とプリクラを撮りに行ったり飯を食べに行ったり夜景が綺麗なスポットで通行人に写真を記念に撮ってもらったりした。
写真は残るから、例えばいつか俺がいなくなっても。見ても苦しくなるだけかもしれないけど
残り少ない時間を桜と過ごす!そう決めた俺はいつからか明るくなっていた。
どれだけ桜が俺にとって大切で大好きな存在か思い今しか出来ない想い出をいっぱい作ろうねと桜は真っ赤になりながらとても嬉しそうだ。
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