タイムリミット

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そして最後に蓮はアタシに日記を毎日のように書いていたらしい。日記らしきものと手紙が入っている袋を渡された。 両親に書いたものと友達に書いたもの、そしてアタシに向けて書いたもの。 花瓶の水を変えてくるねと言っていた間に蓮は永遠の眠りについた。 蓮?何、寝てるの? まだ寝るには早いでしょ?まだ朝だよ? と言いながらも瞳からは大粒の涙。。 蓮っ!ヤダ!起きてよと叫ぶが段々と生気を失っていく。看護師さんがどいて!と言いながら、 蓮を必死で診るが、担当医に目で合図した時の顔で分かった。 10時11分ご臨終ですと医師が告げると蓮の両親は泣き崩れ、アタシはその場から走り出していた。 誰もいない住宅街まで走った。涙はそれでも溢れてきた。 《蓮!嫌だ!嘘だと言ってよアタシを残して逝かないで》と言葉にならない声で呟く。
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