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 私は彼を見送った後、ホテルのバーにむかった。一人で彼を美しい結晶にしてしまいたかった。ジントニックを10分で飲み干しロングアイランドアイスティーを待った。ハレの日に相応しいドレスに、このヤニ臭いダウンライトは似合わない。似合わないなりに私も煙草に火をつける。彼がしていたようにゆっくりと煙を吸い込んだ。 「あぁ、そうか。」  隣のサラリーマンは頷く。 「人間に期待するもんじゃない。」  その隣のサラリーマンはがなり声で笑う。今の私にその言葉は悲しいほどぴったりだ。私もロングアイランドアイスティーに口をつけ少しだけ笑った。  もう店をでようと、最後にシャルトリューズのロックを頼んだときいきなり携帯が震える。私の知らない番号だ。淡い期待を込めて、携帯を開く。
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