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でも、やっぱり直樹、お前は応えてくれない。 僕は血だらけになった手を見つめると、無性に悲しさが溢れてきた。 ……なんで、こんなところに来てしまったんだ。 「直樹ぃぃい!嘘だ、死なないで。置いてかないでよぉ、置いてかないで」 この部屋を杏子の叫ぶ声と、真弓のすすり泣く音だけが包む中、僕のポケットの携帯から着信音が鳴った。 僕は血にまみれた手のまま、携帯を取り出して、電話に出る。
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