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「はい……、宮部さん?」
「見てたよ。監視カメラのモニターで。辛いよね、わかる。でも忘れないでくれ。進むしかないんだ。怖気づかないでくれ」
「はい……。ただ、今は、心が折れて潰れそうです」
僕は携帯を持っていないほうの手で、激しく動く心臓近くの服を握り締めた。
「君の仲間は、たくさんいる。もちろん私を含めて。君は一人じゃない。頼りないかもしれないけど……安心してくれ。私たちはここから出る。……出れるよ」
宮部さんは優しく、僕に言う。
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