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付いた嘘から逃れられるまで高く高く飛び上がりたい。背中にこびり付いた昨日が重すぎて思う程飛べない自分に苛立ちと自責をぶつけても意味がないのは知っている。失速して重力の約束通り落下してまた背骨に罅が入る。慣れた苦痛は今更俺を打ちのめさない。しぶといのさ。 かもめのジョナサンはかもめとしては欠陥品だろう。欠陥品の人間には欠陥品のシールは貼ってない。逆に立派に見える為に振る舞う。とかく演技派が多い。 俺は平凡だが、人と異なる箇所が少なからずあるようだ。俺にとっては当たり前の事が他人にとっては非常識に捉えられ、責められるが、ご意見は貴重に拝聴するが、参考にはさせて戴くが、俺はやはり自分を越えれない。そもそも平凡な俺が自分を超越するなど不可能だろう。 不可能は便利な言葉だ。それを使えば大抵は自分を騙せる。他人を納得させれる。 だが、その不可能を越えた人が存在するのだ。我も人なり、彼も人なり。無駄な対抗意識が昏倒しそうな俺を奮い立せる。 無駄な足掻きと笑う奴には笑わせておけばいい。外野には内野に張り詰めた意図の厳しさはわからない。わかってもらいたくもない。わざわざ人を啓蒙したり洗脳するお人好しにはなりたくない。
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