洗脳

3/8
前へ
/81ページ
次へ
夕方になり 浩樹さんが迎えに来て 車に乗り込んだ 「久しぶりだね」 「そうだね。浩樹さんが忙しいからだよ…」 アタシはわざと 悲しい顔を作った 「ごめんごめん…今日はゆっくり出来るからさ」 思った通りの 浩樹さんの反応 「うんっ!!どこ連れてってくれるの?」 アタシは満面の笑みで 浩樹さんの顔を 覗き込む 嬉しそうに微笑む 浩樹さんの顔が 馬鹿馬鹿しい… 良い年したオッサンが 若い女相手に 自惚れんなよ… でも確かに 見た目はカッコイイ 連れて歩くには 調度良い 浩樹さんの運転を たまに横目で見ながら 可愛い女を演じる 着いた場所は 高級そうな イタリアンのレストラン 「すごーい!!アタシこんな所来たの初めてだよ」 「まぁ、好きなもの食べなよ」 浩樹さんと居れば お金には困らない いつだって何でも 高級なんだから 「いただきますっ」 無邪気に笑う アタシの顔を 浩樹さんは 優しく微笑んで たまに見てくる …馬鹿馬鹿しい 早く食べて 早く帰りたい… それが本音だけど 駄目だっ… アタシはアタシを 洗脳しなきゃ…
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

449人が本棚に入れています
本棚に追加