洗脳

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「送ってくれてありがとう。ここで良いよ」 「そう?じゃぁ、あと気をつけてね」 「うん、じゃぁまた」 そう言って裕也は 車を降りた アタシはハザードランプを 右ウインカーに変えて ギアをドライブに入れる ブレーキを踏んだまま サイドミラーで確認して いつ入り込もうか タイミングを見計らう 「…早苗!!」 「…?」 まだ扉を開けたまま 裕也がイキナリ アタシの名前を呼ぶから 少しビックリして 勢いよく振り向いた 「なに?」 「……いや、またね」 「…?うん、ばいばい」 裕也が扉を閉める 調度よく 車の流れが止まって 車道に入り込む 帰りの道は 回りの音が聞こえない位 爆音でReggaeをかけて まだ翼の影が残る アタシの家へ戻る… 家について エンジンを切ると さっきまでの爆音が 一気に耳から消えて 辺りの静けさが 一層増したように感じた なんだか疲れた… 部屋に入って メイクも落とさないまま ベッドに横になった 裕也には上手く 勘違いさせとけば いつかの時に 使えそうだ… 浩樹さんよりは 宛にならないけど まぁ居ても悪くない 今はまだ そんくらいの存在…
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