思い出

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こんな経緯で、俺と単さんは一緒に店をやる事になった。 店名は高校生の頃に単さんが満月よりも三日月の方が好きだと言ってたからクレセントにした。 まあ、単さんは覚えてないだろうけどな。 単さんは、役に立つだろうからと、朔夜を連れてきてくれた。 単さんはバイト経験は無いと言っていたが、素晴らしい手際で仕事をこなしていた。 お客さんへの応対も丁寧で、完璧だった。 店が軌道に乗ってきて、バイトを雇うようになって、何年かしたら、あいつが訪ねてきた。 あいつ…。 単さんの息子の樹だった。 何時でも敬語で、嫌味なヤツだと思ったりもしたが、 話を聞いたら俺と境遇が似ていて、協力してやりたいと思った。 樹によると、小さい頃に一目惚れした男の子を探しているそうだ。 相手の名前はトモエ…。 その名前には心当たりがあった。
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